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バスの定期券はなぜ高い?

路線バスの定期券がなぜ高いの?と疑問に思っている方はたくさんいらっしゃると思います.例えば,阪急バスの320円区間の場合は通勤6ヶ月が73990円もします.週休2日で,時々残業で遅くなってタクシーを使うような人ですと,バスカードのほうが経済的なケースがままあります.一方で電車の場合,阪急電鉄の360円区間なら通勤6ヶ月で68420円,JRの場合はさらに安く,320円区間が通勤6ヶ月で45360円で,73990円以内で買える6ヶ月定期券で一番遠い区間はなんと480円区間です.

理由は単純です.運転士一人でどれだけの乗客を運べるのか考えてみてください.ラッシュ時に満員になっているバスでもせいぜい70人くらいです.電車はといえば,大阪環状線(8両編成)の場合定員乗車でも1000人以上の乗客を運ぶことができます.また,乗務員一人あたり1時間で稼ぐお金を考えてみると・・・
電車 37万5000円 平均乗車時間15分
運賃250円
6両編成の通勤型(座席定員300,立席定員450)
バス 8万4000円 平均乗車時間10分
運賃200円
大型車(定員70)
タクシー 1万0000円 平均速度40km/h
1キロ250円
いかがでしょうか?あえてタクシーも出してみましたが,あまり儲からないことが分かりますね.

しかし,これでは単純に比較できません.そうです,鉄道の場合は自分の会社で線路や駅などの維持も行っています.では全従業員あたりでの輸送人員で比較をしてみましょう.資料を探してみると東急の電車,バスそれぞれの輸送人員についての情報を得ました.(2010年6月にそれぞれの会社情報を閲覧)それによると・・・

輸送人員 従業員数 輸送人員/従業員数
東急バス 153000000人 1717人 89109人
東急電鉄 1065440000人 3663人 290865人
従業員当たりの輸送人数を比較すると,バスは鉄道の3分の1にも満たないことがわかります.一人あたりの運賃が同じであれば,割引の余地があるのはどちらか明白ですね.