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トリビアNo.007:電池の性能は公開されている

乾電池の性能,実は各メーカーのサイトで公開されています.知っていました?一般消費者向けではなく企業向けのページにあるため,普通は気がつきにくいです.しかし,一般の人でも閲覧は可能です.さて,各社が提供している単3電池の性能データを見ると・・・

やっぱりEVOLTAは際立って高い(といっても10〜20%程度)性能になっています.そのほかは,Panasonicの赤パナを含め,どのメーカーもほとんど互角と見ても良いと判断できます.連続放電のデータを出しているほかのメーカーに対し,実用状態に近いテストをしたデータを出したPanasonicは少しせこいような気もします.他のサイトで実験をして,Panasonicの電池=高性能という神話が崩れたと報告していましたが,公開されている性能だけでも結果は見えていたといえます.

今度は単3電池と単1電池を比べてみます.単1電池の体積や重さは単3電池の6倍で,値段は2倍から3倍なのです.もし体積分だけ電気が入っていれば,携帯電話の充電器を単1電池が使えるように改造して,ランニングコストを下げられるということになります.それでは,10Ω抵抗で連続放電させた場合(ただし,Panasonicのみ,単3は1日1時間,単1は1日4時間放電した場合です)を比較してみましょう・・・

予想通り,単1電池は単3電池のおよそ6倍持つことが分かりました.ということは,単1電池を携帯電話充電器に使えば,交換回数が6分の1になるうえに電池代も半分くらいで済むことになります.実際に,携帯電話の充電器を改造して単1電池を使って充電してみたところ,単3電池使用の場合と比べて6倍という結果を得ています.

ところで,放電電流と時間の積を見ると,電流が少ない場合は単3電池で150mA x 20h = 3000 mAh,多い場合では 750mA x 2.5h = 1875 mAhと,電流をたくさん流すと放電できる量が少なくなってしまうことが分かりました.充電ができるニッケル水素電池(eneloopなど)の場合,1900mAhとされていますので,電流をたくさん使う機器ではニッケル水素電池が有利になることも性能データから導かれます.

各メーカーのホームページは下記の通りです.

Panasonic http://panasonic.co.jp/
・商品情報[法人のお客様] -> 電子デバイス・産業用機械 からたどると電池の性能情報が見つかります.

東芝電池 http://www.toshiba-denchi.jp/
・OEM製品(企業のお客様)-> 標準技術資料ダウンロード とたどると電池の性能情報をダウンロードできます.

maxell http://www.maxell.co.jp/
・法人のお客様向け製品 -> 産業用電池 からたどると電池の性能情報が見つかります.

※いずれメーカーの情報もPDFとしてダウンロードできます.
※各サイトの構造,ならびにURLなどは2009年10月現在のものです.